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空撮用ドローンを購入する際の選び方を徹底解説

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ドローンの空撮を使用すれば、雄大な風景の鳥瞰写真やスポーツの躍動感を捉えた映像など、通常のカメラでは撮影が難しいダイナミックな作品を撮影することができます。
「自分もドローンの空撮を使って表現の幅を広げたい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、空撮用ドローンに必要な機能や種類、選び方のポイントなどを網羅的に解説します。
現在ドローンの購入をご検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。

ドローンとは

ドローンと聞いて一般的にイメージされるのは、複数のプロペラを有した「マルチコプター」でしょう。

ドローンには、実は詳細な定義はなく、航空法では無人航空機の一種とされています。
無人航空機の定義は、以下のとおりです。

航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるもの(その重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。)

引用:e-Gov法令検索

名前の由来は諸説ありますが、英国軍の射撃訓練場で使用されていた無人標的機「女王蜂」にならって、米国の無人標的機がオス蜂(drone)と名付けられたとされています。

無人航空機にカメラを取り付けたものが、空撮用ドローンです。
遠隔で操縦するため、手持ちカメラでは撮影が難しい、スケール感のある俯瞰の構図や引きの構図などにも挑戦することができます。

さらに、ドローンは空撮だけでなく、設備の点検や測量、農薬の散布といった産業にも活用されているほか、レースで操縦の腕前を競うホビーとしても楽しまれています。

ドローンの空撮に必要な資格や免許

ドローンの操縦には、民間資格や国家資格がありますが、それらの資格を取得していなければ飛行が許可されないわけではありません。

ただし、100g以上のドローンを飛行させる場合は、機体登録とリモートID機器の搭載が求められるほか、特定の条件下では飛行許可の申請が必要とされます。

飛行許可が必要な場合

100g以上の無人航空機を飛ばす際に、国土交通省に許可や承認を得なければならない飛行空域や飛行の方法を「特定飛行」といいます。

特定飛行の条件は、以下のとおりです。

特定飛行に該当する空域

・空港等の周辺
・人口密集地域の上空
・150m以上の上空※
・緊急用務空域

※……150m以上は航空局に許可申請許可が必要

特定飛行に該当する飛行の方法

・夜間の飛行
・目視外の飛行
・人や物件との間に距離を確保できない飛行
・催し会場の上空での飛行
・危険物の輸送
・物件の投下

飛行許可を適切に取得しなければ、懲役または罰金が科されるので、空撮する前に撮影場所や撮影の方法が特定飛行に該当しないかを確認しましょう。
承認手続は、国土交通省が提供するオンラインサービス『ドローン情報基盤システム』から行うことができます。

飛行許可が必要ではない場合

前述の特定飛行の条件に当てはまっていたとしても、機体認証・操縦者技能証明があれば飛行許可・承認手続が省略されるケースがあります。

機体認証・操縦者技能証明の保有によって、飛行許可の申請が一部不要になる可能性のある特定飛行の条件は、次のとおりです。

資格があれば手続が不要になる特定飛行の条件

・人口密集地域の上空
・夜間の飛行
・目視外の飛行
・人や物件との間に距離を確保できない飛行

上記の条件に該当していると、通常は飛行許可・承認手続が必須です。
しかし、機体認証・操縦者技能証明をお持ちの場合は、飛行のルールを定めた「飛行マニュアル」を作成したうえで立入管理措置を講じれば、承認がなくとも飛行が許可されます。

ケース別の空撮用ドローンに必要な機能や性能

空撮する際は、どういった画像・映像を撮りたいのかによって必要な機能や性能が異なります。
ここからは、空撮のケースごとに求められるドローンの機能および性能をご紹介します。

ケース①映画やTV用の映像や、法人のWebサイトでの利用

映画やTVで使う映像を空撮する場合は、映像を美しく撮ることのできる性能を備えているドローンを選ぶことが重要です。
また、企業のWebサイトで公開するPR動画や、YouTube動画を撮影するならば、インパクトや面白みのある映像が撮れる機能が向いています。

高精細で臨場感のある映像を撮影するためには、以下に紹介する性能が必要になります。

【関連記事】
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4K以上の高画質

カメラは4K以上の対応が望ましいです。

4Kはフルハイビジョンの4倍もの画素数があるので、細部までくっきりとした映像を撮影することができます。
高画質のカメラというと高額なイメージがありますが、安価でも画質に力を入れている機種があります。

60fps以上のフレームレート

映像にスローモーションを使うのであれば、フレームレートが60fps(frames per second)以上に設定できる機種を選びましょう。
フレームレートとは、1秒間あたりのコマ数を意味し、この数字が多いほど映像が滑らかに見えます。
30fpsあれば、通常のテレビ放送と同程度の滑らかな映像を撮れますが、スローモーションにも対応できる60 fpsを選ぶとより表現の幅が広がるでしょう。

自動追尾機能と自動旋回機能

自動追尾機能は、設定した被写体をドローンが自動で追いかけて撮影する機能で、自動旋回機能は、設定した被写体を中心に周囲を360°撮影する機能です。

動き回る被写体を容易にカメラに収めることができるので、躍動感のある映像を撮りたい場面に向いています。

長時間飛行

ドローンの平均的な飛行時間は10~20分ですが、なかには30分以上の長時間飛行ができる機種もあります。

撮影時間が決まり切っていない撮影では、ある程度の時間、カメラを回せるほうが使い勝手がよいので、長時間撮影できる機能があると便利です。

ケース②個人の趣味でのコンパクトな利用

Vlog(Video Blog)やSNSで発信する趣味の動画を撮るケースでは、高画質や多機能性よりも、持ち運びやすさや価格のリーズナブルさが求められる傾向があります。

携帯しやすいサイズ

外出先でVlogや短い動画を撮影したいときは、手軽に持ち運べる小さくて軽い機体が重宝します。
本記事でこのあとご紹介するDJI MINI3のように、ポケットに収まるほどの小さな機体を選べば、旅のお供として活躍できるでしょう。

手ごろな価格

初めてドローンを購入する場合や、趣味で気軽に使用する場合は、万が一落として壊してしまっても痛手にならない価格の商品を選ぶのが無難です。

最も安いタイプは、数千円台から購入できます。

ドローンの種類

ドローンには多様な種類があり、用途によって使い分けられています。
以下で、代表的な3種類のドローンが、それぞれどのような特徴をもっているのかをご紹介します。

種類①トイドローン

トイドローンは、機体の重量が100g未満の小さなドローンです。

100g未満であれば、無人航空機に義務付けられている機体登録や、リモートID機器の搭載が必要ないので、趣味として気軽に始めることができる点が特徴です。
価格も手頃なので、お子さまの遊び道具としても人気があります。

ただし、トイドローンであっても、特定飛行に該当すれば飛行許可を得なければならない点には気をつけてください。

種類②カメラ付きドローン

カメラは後付けもできますが、空撮を目的に購入するなら、高画質にこだわったカメラ搭載のドローンがおすすめです。

撮影に特化した機種なので、遠隔操作時の通信距離が長く、高い地点からも空撮することができます。

種類③産業用ドローン

産業利用をメインにした、産業用ドローンという機種もあります。

産業用ドローンの活躍の幅は広く、高所や狭所などの人の立ち入りが難しい場所の点検作業や、農薬の散布、測量などに使われています。

空撮用ドローンを選ぶ際の6つのポイント

空撮に適したドローンを選ぶには、どういった点に注目すればよいのか、気になっている方もいらっしゃるでしょう。
そこでここからは、空撮用ドローン選びの6つのポイントを紹介します。
満足のいく空撮映像を撮る商品を見つけたい方は、参考にしてみてください。

ポイント①飛行可能時間

ドローンの飛行可能時間は、短いもので10分、長いもので40分ほどです。
あまり長時間の撮影を要しなければ、飛行可能時間が短い機種のほうが比較的安価なので気軽に扱えます。

一方で、映画やTV、YouTubeの撮影などの用途では、長回しや理想的な構図を探す必要があります。
そのため、余裕をもって長時間の飛行が可能な機種を選ぶことや、複数のバッテリーが同梱されているパッケージを購入することも1つの手です。

【関連記事】
ドローンで撮影する際の準備ときれいな映像を撮るコツ

ポイント②カメラの画質

綺麗な映像を撮ることが目的なら、フルHD(1920×1080ピクセル)以上の解像度で撮影できる機体を選ぶと十分な画質を手に入れることができるでしょう。

なかでも4K撮影に対応している機種であれば、肉眼よりも鮮明に見えると感じられるほど綺麗な映像が楽しめます。
センサーサイズが上がるほど画素数も上がってデータ容量が増えるので、予備のメモリを用意しておくと安心です。

ポイント③機体のサイズ

ドローンのサイズは多種多様で、手のひらサイズのミニドローンや、さらに小さなマイクロドローンなど、超小型の機種まで取り揃えられています。

サイズの小さい機種は、持ち運びが楽で安価な点が魅力です。
反対に、大きなサイズのドローンは高性能のカメラや大容量のバッテリーを搭載しており、機能面で優れています。

ポイント④機体の重量

2022年6月の航空法改正により、航空法の対象が200g以上の機体から100g以上の機体に変更されています。
そのため、航空法による制限を回避したければ、100g未満の機種を用意するのが近道の一つとして挙げられます。
ただし、100g未満の機体であっても、「小型無人機等の飛行禁止法」や、各自治体の条例など、航空法以外の決まりで規制されているケースがあるため事前に確認しておきましょう。

なお、法規制にだけ注目すると、軽いドローンのほうが便利なように感じられるかもしれませんが、一般的に軽い機体は風に煽られやすく、飛行時間が短い傾向にあります。
一方で、大きな機体は強力なモーターや大容量のバッテリーを使用するために、風にも強く安定性があり、長時間飛行できることから空撮に優れています。
「ドローンをどのような用途で使うのか?」を考えて選んでみるとよいでしょう。

ポイント⑤値段

当然ながら、高価なドローンほど高精細な映像を撮影できますが、空撮に慣れないうちは操作ミスを起こす可能性が高いので、安価な機種での練習をおすすめします。

安いタイプでは、カメラ付きでも数千円から取り扱いがあります。

ポイント⑥機能

ドローンには、撮影や安全管理に関する多くの機能がついています。
人気の機能をご紹介いたしますので、ご自身に必要だと感じられる機能を探してみてください。

自動追尾機能

自動追尾機能は、設定した被写体をカメラが認識し、自動で追いかける機能です。

動き回る被写体も逃さず撮ってくれるので、たとえばスポーツを楽しむ様子をカメラに収めたり、スピード感のある映像が撮影できたりします。
手動では撮影の難易度が高い映像が簡単に撮れる機能なので、ドローン初心者の方にこそ、ご活用いただきたい機能です。

FPV

FPV(ファースト・パーソン・ビュー)は、VRで頭に装着するゴーグルのようなヘッドマウントディスプレイというモニターを見ながら、ドローンを操縦します。

モニター以外の視界が塞がれるので没入感が高く、ドローンに自分が乗り込んで操縦しているかのようなスリリングな体験ができます。

ヘッドマウントディスプレイの映像は、ドローン本体から受信するまでにタイムラグが少ないので、より繊細で正確な操縦ができる点が特徴です。
それを活かして、FPVは操縦技術を競うドローンレースにも採用されています。

障害物検知と落下防止機能

ドローンの動きはスピード感があるので、操縦していると、前方ばかりに意識が集中しがちです。
操作技術が未熟だと、周囲の障害物にまで目を配れず、接触事故を起こしてしまうケースも少なくありません。
接触事故を起こすと、衝撃で機体が落下するといった事態も起こりえます。

しかし、障害物検知と落下防止機能が搭載されていれば、ドローンが自ら障害物や落下の可能性を察知して、事故を回避してくれます。
高価なドローンを購入する際は、特にこうした安全面の機能性を重視して選びたいものです。

GPS

GPS機能がついていると、ドローンが自分の位置を自動で認識できるので、同じ場所に留まったまま浮遊する「ホバリング」が可能になります。
風が強い高所の景色もブレずに撮影できるなど、ホバリングが利用できると撮れる映像の幅が広がります。

しかし、山間部・遮蔽物の多い場所などではGPSの通信が途切れやすいので、使用には注意が必要です。
GPSが途切れたドローンは、ホバリングの静止、GO HOME(自動帰還)が正確にできなくなる可能性がございます。

自動帰還機能

遠くまで飛ばせるドローンは便利な一方で、見失ってしまうリスクもあります。
自動帰還機能が備わっていれば、ドローンが自ら操縦者の元に戻ってくるので、紛失の心配がありません。
ただし、電源が切れると自動帰還中でも墜落してしまいます。
飛行中は、帰還に必要なバッテリーが残っているのかどうかを気にかけておきましょう。
最近は、通信状態が悪くなった段階で自動帰還モードに切り替わり、帰還点に戻ってくる機能のついた商品も登場しています。

空撮用ドローンの費用相場

空撮用のドローンは、グレードによって費用相場が大きく変わります。
今回は、10万円・20万円・25万円の三段階に分けて、費用感と商品のスペックをご紹介します。

10万円以下のドローン

ドローンのなかでは、比較的お手頃な価格帯です。
この価格帯には、軽くてコンパクトな扱いやすい機種が揃っています。

10万円以下のおすすめの機種

商品名 DJI Mini 2 DJI Mavic Air 2
価格 59,400円(税込)から 105,600円(税込)から
重量 199 g 570 g
画素数 1200万画素 1,200万画素

4,800万画素

飛行可能時間 18分 34分
機能 折りたたみ設計 折りたたみ設計

高画質

 

20万円以下のドローン

20万円以下のドローンは、画質と機能性のバランスがよい点が特徴です。
重量もそこまで重くないので、持ち運びにも困りません。

20万円以下のおすすめの機種

商品名 DJI Mini 3 Pro DJI Air 2S
価格 106,700円(税込)から 119,900円(税込)から
重量 249 g未満 595g
画素数 4,800万画素 2,000万画素
飛行可能時間 34分(インテリジェントフライトバッテリーを使用の場合)

47分(インテリジェントフライトバッテリーPlusを使用の場合)

31分
機能 折りたたみ設計

自動追尾機能

自動旋回機能

3方向障害物探知機能

折りたたみ設計

フォーカストラック機能

自動追尾機能

自動旋回機能

4方向障害物検知機能

25万円以上のドローン

25万円以上の価格帯になると4K対応の機種もあり、映画やテレビの撮影にも活用できる高画質の映像が撮れます。
安全管理機能に優れている点も魅力です。

25万円以上のおすすめの機種

商品名 DJI Mavic 3 Pro AUTEL
価格 261,800円(税込)から 283,800円(税込)から
重量 958 g(Mavic 3 Pro)

963 g(Mavic 3 Pro Cine)

1,174g
画素数 2,000万画素(Hasselbladカメラ)

4,800万画素(中望遠カメラ)

1,200万画素(望遠カメラ)

2,000万画素
飛行可能時間 43分 40分
機能 折りたたみ設計

高画質

全方向障害物検知機能

Apple ProRes対応(Mavic 3 Pro Cineのみ)

折りたたみ設計

高画質

全方向障害物検知機能

 

空撮用ドローンを購入する際の注意点

空撮用ドローンの購入を決めたら、ネット通販やオークションサイトよりも、正規店で購入するほうが安全です。
インターネット上で取り引きされている商品のなかには、偽物が紛れている可能性もあるので、できる限り避けるほうがよいでしょう。

また、正規店で購入すると、初期設定の代行や操作・メンテナンス方法のレクチャーなど、正規店ならではのサービスを受けることができます。

自分のニーズに合った機能や種類のドローンを購入して空撮を楽しもう

ドローンを選ぶ際は、何の映像を撮るのかを明確に決めておきましょう。
映画やテレビ用の映像を撮影するのと、趣味のVlogを撮影するのとでは、必要となる機能や性能に違いがあるためです。

用途が決まったら、飛行可能時間やサイズ、そのほかに必要な機能を比較して、ニーズに合った商品を絞り込みます。
ドローンは操作に慣れないうちは落下させてしまうリスクが高いので、初めは安価な商品で練習してもよいでしょう。

Y’s Airでは、ドローンの空撮サービスをご提供しております。
無料のお見積もりを即日でお出しできますので、空撮で迫力ある映像を撮りたいとお考えの方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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