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ドローンで撮影する際の準備ときれいな映像を撮るコツ
昨今、ドローンで撮影された映像は、映画やCM、PVなどでよく目にしますよね。
自社でもドローンの映像を使ってみたいものの、自分で撮影するか、業者に外注するかで迷われている方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では、ドローンの撮影前に準備することや、撮影時のコツなどをご紹介します。
ドローンで撮影した映像を自社のCMやイベントなどに活用したいとお考えの方は、参考になさってください。
撮影用ドローンの種類
まずは、ドローンにはどのような種類があるのかを見てみましょう。
種類①空撮用ドローン
空撮用ドローンは、よくテレビやインターネットで目にする一般的なドローンです。
高性能なカメラが搭載されているので、上空から高画質な映像を撮影することができ、CMやミュージックビデオの撮影にもよく利用されています。
またVlog用に空撮用ドローンを使うYouTuberも増えてきました。
ただし、ほとんどのモデルは200グラム以上の重さがあるため、後述する航空法の規制対象になります。
購入する際は、ある程度法律の知識を知っておくと安心です。
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空撮用ドローンを購入する際の選び方を徹底解説
種類②トイドローン
空撮用ドローンに比べるとカメラの画質は劣りますが、トイドローンでも撮影は可能です。
カメラ付きでも100g未満のモデルが多く、趣味として気楽に楽しむことができるため、自宅の敷地内や飛行練習所などで誰でも簡単に操縦することができます。
値段が手ごろなので、映像美にそこまでこだわらない方や、練習用に安いドローンが欲しい方にはうってつけです。
種類③産業用ドローン
カメラ付きドローンのなかには、農業や建設業、災害現場などで活躍する、産業用ドローンもあります。
農業では農薬の散布、建設業では土地の測量や点検、災害現場では安否確認などに特化したドローンが利用されています。
任務に応じた様々な装備を搭載するため、多くの機体はパワーが強く、コンシューマー機に比べて大型になっています。
またバッテリーも一般的なドローンに比べて長持ちしますが、値段も高額です。
種類④競技用のレーシングドローン
撮影用ではありませんが、カメラ付きドローンのなかでも特殊な、レーシングドローンという種類もあります。
決められたコース内を操縦して、速さとテクニックを競う「ドローンレース」という競技をご存じでしょうか。
この競技は世界中で開催されており、賞金金額は5億円を超えることもあります。
競技用のレーシングドローンにはカメラが搭載されており、競技を観戦している観客は、最高時速100kmでコースを巡る迫力満点の映像を楽しむことができます。
ドローン撮影の際に必要な機材
ここからは、撮影時に必要な機材をご紹介します。
必要な機材はドローン本体とバッテリー、操縦するための機器のみです。
ドローン撮影に必要な機材
・カメラ付きドローン本体
・バッテリー
・送信機・タブレット端末・スマートフォン
カメラ付きドローンには、トイドローンや空撮用ドローンなどの種類があります。
手軽に撮影したい方にはトイドローン、本格的な映像を撮りたい方には、空撮用ドローンが適しているでしょう。
ドローンを操縦する際は、画面付送信機やタブレット端末、スマートフォンのいずれかに送信機を繋ぎ使用します。
送信機にはスティック型のコントローラーがついており、指の動きに合わせてドローンを動かす仕組みであるため、直感的に操縦することができます。
撮影のプランによって必要となる機材は変わるため、機材の用意には思わぬ出費が付き物です。ドローンの撮影を行う際は、自社で行うよりもプロに外注した方が費用的にも抑えられるかもしれません。
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ドローンの活用事例とは?撮影をプロに頼むメリットや費用の相場も紹介
カメラ付きドローンを選ぶ際のポイント
それでは、肝心のカメラ付きドローンを選ぶ際に押さえておきたい、4つのポイントをご紹介します。
ポイント①機体の重量
ドローンは機体の重量が100gを超えると、航空法の規制対象になります。
航空法では、許可なくドローンを飛行させるのを禁止している空域があり、そこでドローンを飛ばしたい場合には、飛行許可・承認の手続きを行います。
この審査には時間がかかるうえ、許可が降りない可能性もあるため、そこまで画質にこだわらないのであれば、100g未満のトイドローンを選んだほうがよいかもしれません。
模型航空機に分類されるトイドローンであれば、100g未満で値段も手ごろです。
ただし、画質にこだわりたいのであれば、100gを超えても高画質に撮れる空撮用ドローンを選んだほうがよいでしょう。
ポイント②カメラの性能
カメラ付きドローンは、カメラのセンサーサイズや性能によって映像の美しさやデータ容量、値段が変わります。
画素数はフルHDや4Kが主流ですが、最近は超高画質の6Kで撮影できるモデルも登場しました。
また、画質を落とさずに映像を拡大・縮小できるデジタルズーム機能が搭載されているドローンもあり、その種類は多種多様です。
どの性能を優先したいのかをあらかじめ決めておくと、ドローンを選ぶ際に役立ちます。
なお、映像美にこだわりたい方は、カメラの画素数や性能で選ぶのがおすすめですが、データ容量が大きくなり、値段もそのぶん高くなる点には要注意です。
ポイント③飛行可能時間
ドローンの飛行可能時間は、機種によって異なります。
トイドローンは5分程度、空撮用は10~40分程度、産業用であれば50分程度、連続で飛行することができます。
飛行可能時間は、ドローンが飛行を始めてから、手元に戻ってくるまでの時間を含めて計算し、余裕をもって操縦できそうな機種を選びましょう。
ドローンを遠くまで飛ばして撮影したい方は、途中でバッテリー切れになると戻ってこないリスクがあるので、なるべく飛行可能時間が長い機種を選んだほうが安心です。
目の届く範囲での撮影を想定している方は、飛行可能時間が10分程度のドローンでも問題ないでしょう。
ポイント④機能性
ドローンには飛行して撮影する以外にも、便利な機能や安全機能が備わっています。
たとえばゴーホーム(自動帰還)機能があれば、ボタン1つで操縦を開始した場所にドローンを戻すことが可能です。
また、初心者でも対象物を正しい距離と角度で撮影できる高度維持機能や、自動追尾機能があれば、高度なテクニックも不要です。
ほかにも衝突回避機能など、ドローンを快適に操作できる工夫が凝らされた商品が多く発売されています。
ドローンは雨風や障害物にさらされるので、ある程度の安全装置があるほうが、長く使い続けることができます。
ドローンで撮影する際のコツ
ドローンを選んだら、いよいよ撮影が始まります。
きれいな映像を撮るための3つのコツをご紹介するので、ぜひ試してみてください。
コツ①飛行速度を一定に保つ
プロのような映像を撮るには、飛行速度を一定に保つのがポイントです。
ドローンを飛行させたら、コントローラーのスティックはなるべく固定させたままにしておくと、速度を一定に保つことができます。
また、ドローンは急に止まったり、角度を変えたりすることができないため、前後左右に移動させる際は、スティックを少しだけ倒してゆっくりと進めるように意識しましょう。
これだけでも安定したきれいな映像を撮影することができます。
コツ②構図のバランスを意識する
構図を意識して撮影すると、洗練された映像になります。
構図とは、画面のなかの被写体と背景の配置を指し、動画を撮るうえでは映像の展開を考えることも構図作成のうちに入ります。
バランスのとれた配置とストーリー展開の両方がそろうと、単調にならず、視聴者を飽きさせません。
基本の構図技法として、黄金分割法があります。
これは、画面を縦と横にそれぞれ3分割して、線が重なる点に被写体を置くと、バランスよく配置できるという法則です。
また動画の展開を考える際は、動きをつけると単調な映像にならず、印象的になります。
ドローンを上下左右に移動させてさまざまな角度から撮影し、編集でそれらをつなぎ合わせると、視聴者が引き込まれる映像に仕上がります。
コツ③離陸直後と初動の動きを決めておく
地上から上空へ昇っていくシーンは、ドローンで撮影した動画ならではの魅力を持ち、使える素材として重宝します。
そこで、いつでも美しく、安定した映像を撮影するために、離陸直後と初動のドローンの動きを自分なりに決めておくとよいでしょう。
具体的なドローンの動きには、以下のような例があります。
離陸直後・初動のドローンの動き
・一定の速度で上昇しながら斜め上に移動する
・上昇しながら左右どちらかにゆっくりと回転する
動きを定番化するだけで、初めての場所でも迷いのない映像を撮影できるだけではなく、効率的に撮影を進めることもできます。
YouTubeでドローンが離陸する映像をいくつか観てみると、参考になるでしょう。
ドローン撮影時に使える4つのテクニック
ドローンを操縦するコツがつかめたら、プロのような映像を撮るための4つのテクニックも押さえておきましょう。
テクニック①下降チルトアップ
カメラの角度を変えるチルトを使ったテクニックとして、ドローンを下降させながらカメラを上に動かすというものがあり、これを下降チルトアップとよびます。
本来は、大型のクレーンカメラで撮影する際のテクニックとして使われていました。
建物や滝などの高低差を強調したいときに向いており、被写体を印象的に見せることができます。
ドローンを下降させるスピードと、チルトを動かすスピードを一定に保ちながら撮影すると、きれいな映像を撮ることができます。
テクニック②ノーズインサークル
下降チルトアップとあわせてよく使われるテクニックが、ノーズインサークルです。
ノーズインサークルでは、被写体を中心として、その周りにドローンを旋回させて撮影します。
こちらも被写体を印象的に撮影できるテクニックで、高さのある建物や山、木など、特定の物を強調したいときに効果的です。
初心者の方は、まずは被写体の周りをゆっくりときれいに旋回する練習を積みましょう。
被写体からなるべく離れて、ドローンを目視できる位置から操縦することがコツです。
テクニック③俯瞰撮影
俯瞰撮影は、カメラを真下に向けて撮影するテクニックです。
そのまま上下左右にドローンを操縦して、より動きのある映像にも仕上げられます。
川や道路を真上から撮った様子を動画に収めたり、建物を真上から撮影して、ミニチュアの世界のような映像を撮ったりして、個性的な映像を製作することができる点が魅力です。
テクニック④後退しながら上昇
最初に地上にある被写体を映し、そこから遠ざかるようにして上昇していく撮影方法もあります。
被写体となる人物が立っている場所の広大さや、風景を強調したいときにぴったりの技法です。
被写体から少しずつ遠ざかると、大きな森や海、大都会が広がる様子を、ドローンにしか撮影できないダイナミックな映像として視聴者に印象づけられます。
ドローンで撮影する際に押さえておきたい3つの制度
ここまでは、ドローンで撮影する前に準備することや、撮影のコツなどをご紹介しました。
最後に、ドローンを操縦する前に必ず押さえておきたい、法で定められた3つの制度をご紹介します。
①無人航空機の登録制度
航空法の改正により、2022年6月20日から、機体重量が100g以上ある無人航空機(ドローンやラジコン)は、機体の登録が義務化されました。
ドローンの登録は、国土交通省のオンラインサービス『ドローン情報基盤システム』(DIPS)か、書面で行います。
登録が完了すると、JUから始まる12桁の番号が割り振られるので、ドローンの本体に何らかのかたちで記載します。
油性マジックやシール、刻印など掲示方法は自由ですが、簡単には消えない方法を選ばなければなりません。
②飛行許可・承認制度
ドローンの機体重量が100g以上あり、特定飛行を行う場合は、航空法にもとづいて飛行許可・承認手続きが必要です。
特定飛行とは、空港の周辺や人工集中区域の上空、150m以上の上空などで飛行することを指します。
また、夜間やドローンを目視できない環境での飛行、人や物体との距離が30m未満の状況で飛行する場合も、事前に申請を行わなければなりません。
飛行許可・承認手続きを行うには、国土交通省のオンラインサービス「ドローン情報基盤システム」(DIPS)を利用します。
審査に時間がかかるため、10開庁日以上前には手続きを終わらせましょう。
③ドローンの国家資格制度
2022年12月5日より、ドローンの国家資格(免許)制度が新設されました。
免許が必要になるのは、以下の9種類の特定飛行を行う場合です。
ドローンの免許取得が必要になる飛行方法
・上空150m以上の飛行
・危険物の輸送
・空港周辺の飛行
・物体の投下
・イベント上空の飛行
・人・物体との距離が30m以内になる飛行
・夜間飛行
・目視外飛行
・人口集中地区上空の飛行
上記に加えて、機体の重さが25kg以上の大型ドローンを操縦する場合も免許が必要です。
ドローンの免許には、一等資格(一等無人航空操縦士)と二等資格(二等無人航空操縦士)の2種類があります。
いずれの資格も、取得していれば特定飛行時の飛行許可・承認手続きの省略、または簡略化が可能です。
一等資格はそれに加えて、飛行時に立入管理措置を講じる必要がなくなります。
立入管理措置とは、看板や補助者を配置して第三者の立入を禁止する措置のことです。
資格を取得する方法は、国土交通省が認めるドローンスクールで講習を受けるか、独学で勉強するかの2択です。
ドローンスクールに通えば、指定試験機関での受験は学科と身体検査のみになりますが、独学の場合は実地試験も含まれます。
100グラム未満のドローンで撮影する際の注意事項
ドローンは、100g未満であっても小型無人機飛行禁止法に従って操縦しなければなりません。
この法律では、重要施設とその周辺300m以内の飛行を禁じています。
法律で定められている重要施設
・国の重要な施設
・外国公館
・放映関係施設
・空港
・原子力事務所など
また、自治体によってはドローンの飛行を禁止している施設があり、たとえば東京都であれば、全81か所の都立公園と都立庭園でのドローンの持ち込み・操縦を禁止しています。
たとえ近くの公園で撮影する場合でも、事前に自治体の確認を取っておきましょう。
ドローンで撮影する際の法律やコツを押さえて楽しく撮影しよう
本記事では、ドローンの撮影前に準備することや、撮影する際のコツなどをご紹介しました。
撮影に必要な機材は、ドローン本体とバッテリー、操縦機のみです。
ドローンは機種によって特徴が異なるので、用途に合わせて必要な機能を備えたものを選びましょう。
また、ドローンを操縦して撮影するには、何度も練習してコツとテクニックを身につける必要があります。
時間が限られている方は、ドローン撮影に特化した業者に依頼するのも、1つの手段です。
さらに、航空法についても勉強しておくと安心です。
Y’s Airでは、フォトグラファーでもあるカメラマンが高品質なドローン撮影を行っております。
お見積もりは無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。